■直感を裏切る意外な問題(その3)
次に,この問題と同じ原理からなる問題であるが,見方を変えて紹介しよう.
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(問)同じ大きさの正3角形2個のうち,1個を天地逆転させ,もう1個の正3角形に重ねるとダビデの星が得られる.ダビデの星はイスラエルの国旗にも使われ,ユダヤ人の象徴とされていて,星形の外側と内側にそれぞれ6角形ができる.それでは,同じ大きさの正4面体2個を重ねた場合,その外側と内側にはどのような立体ができるだろうか?
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(答)この問題はダビデの星の3次元版で,同じ大きさの正4面体2個による屋根瓦状の相貫体にはケプラーの8角星という名前がつけられている.2つの正4面体を逆向きに抱き合わせた星形8面体「ケプラーの8角星」は,24面すべてが正三角形よりなるものの,星形正多面体には通常加えられず,正多面体からも除外される.正8面体を芯として,このとき,ケプラーの8角星の頂点は立方体の頂点をなすというのが正解である.星形の内側には正八面体ができるのである.最も簡単な複合多面体なので,これが頭の中でイメージできれば答は簡単であるが,勘の働きにくい問題であろう.
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