■素数の存在する領域(その4)
十分大きなnに対して、
[n^3,(n+1)^3]
には常に1個の素数が存在する。
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1947年,ミルズはある定数Aが存在し,すべてのnに対して素数だけしか与えない公式
pn=[A^3^n]
を示した.
1.306377883863<A<1.306377883869
p1=2,p2=11,p3=1361,p4=2521008887
一方,n<p≦2nの間には常に1個の素数があるという1845年のベルトラン仮説を1850年,チェビシェフが証明した.今回のコラムではこれを使って,
[2^b],[2^2^b],[2^2^2^b],・・・
がすべて素数となる定数b〜1.25が存在するという証明を紹介したい.
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【1】証明
p1=2とし,pnを2^Pn-1より大きい最も小さい素数する.このとき,ベルトラン仮説より
2^Pn-1<pn≦2^Pn-1+1
である.
b=loglog・・・(pn)=log^n(pn)
とすればよい.n→∞のとき,b→1.2516475977905・・・であって,
p1=2,p2=5,p3=37,p4=2^37+9
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【2】おまけ
(Q)2^n+1が素数ならnは2のベキ乗であることを示せ.
(A)もしn=qmで,qが奇数ならば,
2^n+1=(2^m+1)(2^n-m−2^n-2m+・・・−2^m+1)
となってしまう.
(Q)nが素数でないとき,2^n−1は素数ではあり得ない.
(A)もしn=qmで,
2^n−1=(2^m−1)(2^m(q-1)+2^m(q-2)+・・・+1)
となってしまう.しかし,nが素数で合ったとしても,2^n−1は素数であるとは限らない.
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