■ユークリッド原論と多重根号数(その2)
正5角形の作図ではy=x+1/xとおいて作図可能であることをうまく証明できたが,正17角形ではこの変数変換では失敗する.
z=x^4+x+1/x+1/x^4
w=x^8+x^4+x^2+x+1/x+1/x^2+1/x^4+1/x^8
と変数変換すると(もう1ステップ要するが)n=5の場合と全く同様に証明することができる.
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t=x+1/xでうまくゆくのは結局cos(π/n),sin(π/n)が二重根号((10+2√5)^1/2など)で表されることに対応します.以下のようにいうとギリシャ数学史の専門家から叱られますが,ユークリッド原論第10巻は今日の我々の眼からみると二重根号量((a+√b)^1/2,(a−√b)^1/2)の扱いであり,それが(特に(10±2√5)^1/2が)第13巻で正十二面体,正二十面体の構成にうまく活用されています.
正17角形では3重根号数と4重根号数が必要になります.ある歴史家の話では,これは古代ギリシャの数学者の手に負えなかった話題(?)だろうということです.正5角形が(定規とコンパスで)作図できる,そしてその作図に黄金比と関連した二重根号で表される量が本質的に関わっているという事実の発見が古代ギリシャ数学のひとつの頂上であったように思います.
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(a+√b)^1/2+(a−√b)^1/2=√cとなる(a,b,c)を求めてみたい。
2a+2(a^2-b)^1/2=c
2(a^2-b)^1/2=c-2a
4(a^2-b)=c^2-4ca+4a^2
-4b=c(c-4a)
cを4の倍数となる平方数、例えば、c=100とすると
-b=25(100-4a)
a=30,b=500,c=100
(30+√500)^1/2+(30−√500)^1/2=√100=10は整数である
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