■ディオファントス近似とペル方程式(その2)
√√2は2つの整数の比p/qではないので,√2=p/qすなわちp^2=2q^2になるような2つの整数p,qを見つけることはできません.しかし,誤差±1を許すことにすると
2q^2=p^2±1 (ペル方程式)
なる2つの整数p,qを見つけることができます.
2^2+2^2=3^2−1
5^2+5^2=7^2+1
12^2+12^2=17^2−1
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このような分数を全部求めるには1/1から出発して1+1=2が次の分母になり,1+2=3が次の分子になる,3+2=5が第3の分母,2+5=7が第3の分子になって,同様に続いていくという算術的な規則があります.
1/1↓ ↑3/2↓ ↑7/5↓ ↑17/12↓ ↑41/29↓ ・・・
すなわち,ペル方程式:p^2−2q^2=±1を満たすp/qがひとつの分数で,P/Qが次の分数だとすると
Q=p+q,P=q+Q=p+2q
P^2−2Q^2=2q^2−p^2=±1
となって,P/QもまたP^2−2Q^2=±1となる分数を与えることができることになります.1/1から始まって次々に解となる分数を見つけることができるというわけです.
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なお,フェルマー・ワイルスの定理より
x^n+y^n=z^n
に整数解が存在するのは,n=1と2の場合だけです.したがって,a^3+b^3=c^3になるような3つの整数a,b,cを見つけることはできませんが,誤差±1を許すことにすると
6^3+8^3=9^3−1
のようにぎりぎりこれに近い式を見つけることができます.
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