■フェルマー数の約数(その4)

 Fn =2^(2^n)+1の形の素数をフェルマー素数といいます.

  F0=3,F1=5,F2=17,F3=257,F4=65537257

は素数であることがわかります.フェルマーはこの型の数がすべて素数だと勘違いしていて必ず素数を与える式として考え出されたのですが,n=5であっけなく破綻してしまいました.

  F5=2^(2^5)+1=4294967297=641×6700417

 この間違いを発見したのはフェルマーから約100年後のオイラーです.彼は約数641をあてずっぽうでみつけたのでも,2,3,5,7,・・・と割っていって執念で見つけたのでもありません.オイラーはFn が合成数であるならば,それはあるkに対してk2^(n+2)+1であることを知っていて,F5 の中の因数641=5・2^7+1を見つけたのです.現在,n=0,1,2,3,4の5個以外にフェルマー素数はみつかっていません.

 また,フェルマー数は簡単な漸化式Fn=(Fn-1−1)^2+1を満たしています.この式から

  Fn−2=Fn-1(Fn-1−1)=・・・=F0F1・・・Fn-1

言い換えれば,Fn−2はそれより小さいすべてのフェルマー数で割り切れることがわかります.

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(Q)F0=3,F1=5を除けば,フェルマー数Fnの末位の数は7であることを証明せよ.

(A)n≧2に関する数学的帰納法で

  2^(2^n)=6  (mod10)

を示せばよい.n=2のとき

  2^(2^2)=16=6  (mod10)

n=kのとき2^(2^k)=6  (mod10)であるとすれば,n=k+1のとき,

  2^(2^k+1)=36=6  (mod10)

を得る.

 なお,

  F1=5

  Fn=F0F1・・・Fn-1+2=(5の奇数倍)+2

を用いれば,Fnの末位は7になることがわかる.

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