■有限群の位数と超幾何関数(その8)

 全平面で確定特異点だけを特異点とする方程式をフックス型というのですが,特異点の数が,∞を含めて3つの場合,その確定特異点を0,1,∞に移したときに得られるのが,ガウスの超幾何微分方程式であり,その解が超幾何関数であるというわけです.

 

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リーマンスキームとガウスの微分方程式の対応を与えておきます.整数部分を除いた小数点以下の端数部分に関して,

  λ=|1−γ|,μ=|γ−α−β|,ν=|β−α|

したがって,たとえば

  α=±(1−λ−μ−ν)/2,

  β=±(1−λ−μ+ν)/2,

  γ=±(1−λ)

このようにおくと,特異点ごとの指数がガウスの微分方程式と一致します.

 

 このことから

  λ+μ+ν=1−2α=奇数

したがって,パラメータα(あるいはβの少なくとも一方)の値が整数の場合には,ガウスの超幾何関数2F1(α,β;γ:x)は初等関数となることがわかります.負の整数の場合は有限級数になります.

 

 また,

  (λ,μ,ν)=(1/2,1/3,1/4)→(α,β,γ)=(23/24,5/24,1/2)

  (λ,μ,ν)=(1/2,1/4,1/5)→(α,β,γ)=(1/40,9/40,1/2) となるのですが,たとえ2F1(23/24,5/24,1/2,x),2F1(1/40,9/40,1/2,x)がどのような関数になるか具体的にはわからないにしても,それぞれ初等関数,超越関数となることはわかるというわけです.

 

 2F1→3F2→4F3→・・・と進んで,現在,一般的な超幾何関数nFn-1が代数的になる条件はすでに決定されているようです.

 

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