■フェルマーの小定理と剰余の計算(その47)
フェルマーの小定理より,pをaと素な素数とすると,フェルマー商
(a^(p-1)−1)/p
は整数になる.すなわち,pは常にa^(p-1)−1を割り切る.
a^(p-1)−1=0 (mod p)
(a^(p-1)−1)/p^2
は整数になるだろうか.
18^36−1=0 (mod 37^2)
10^486−1=0 (mod 487^2)
現在では多くの例が知られている.
a=2の場合をとくにヴィーフェリッヒ素数と呼ぶ.
[Q]p^2が2^(p-1)−1を割り切るような素数pはあるだろうか?
2^(p-1)−1=0 (mod p^2)
[A]ヴィーフェリッヒ素数は現在でも2例のみしか知られていない.
2^1092−1は1093^2で割り切れる.
2^3510−1は3511^2で割り切れる.
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なお,1910年,ミリマノフは
「フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,pはミリマノフ素数であることが必要である」をつけ加えています.
(3^(p-1)−1)/p=0 (mod p)
すなわち,3^(p-1)−1はp^2で割り切れるというものですが,(3^(p-1)−1)/pが整数となるpとしてp=11,1006003が知られています.また,5^(p-1)−1がp^2で割り切れるpとしてはp=188748146801が知られています.
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[注]フェルマーの小定理の逆は成り立たない.フェルマー商
(2^(p-1)−1)/p
が整数になる(2^(p-1)−1がpで割り切れる)のに,pが素数でない場合,pを擬素数という.
2^340−1は341で割り切れるのみ,341=11・13は合成数であり,素数ではない.341は2を底とする最小の擬素数である.
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