■フェルマーの小定理と剰余の計算(その35)
【1】位数の法則
modpでのaの位数をeとする。
このとき、a^n=1(modp)ならば、nはeの倍数。とくにp-1はeの倍数
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[Q](2^n+1)/n^2が整数となるnをすべて決定せよ
nの素因数で最小のものをpとする。
分子は奇数であるから、nも奇数。p≧3
2^n=-1 (modp)
4^n=1 (modp)
ここで、pを法とする4の位数をeとする。
4^e=1 (modp)
eはnの約数かつp-1の約数。しかし、eはnの最小の素因数であるから、e=1
p=3と決定される。
n=3m
m=1のとき(2^3+1)/3^2=1
m≧2の奇数
2^3m+1=8^m+1は9m^2で割り切れる。
mの最小の素因数をqとすると
8^m=-1 (modq)
64^m=1 (modq)
modqにおける64の位数をfとすると
64^f=1 (modq)
位数の法則よりfはmの約数かつq−1の約数→f=1
64=1 (modq)→q=3または7
q=7とすると8^m=-1 (mod7)
しかし8=1 (mod7)より矛盾→q=3→n=3m=9l→nは3^2で割り切れる。
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ここでいったん休憩
[Q]奇数nが3^aで割り切れるなら、2^n+1は3^a+1で割り切れる。
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ここで、a≧2から、2a>a+1
n^2の方が2^n+1より多くの3を含むので、(2^n+1)/n^2は整数にならない。
したがって、n=3のみとなる。
[参]小島寛之「数学オリンピック問題にみる現代数学」講談社ブルーバックス
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