■レムニスケートの等分点とテータ関数(その3)

【2】∫1/(1-x^6)^(1/2)dxの場合

 ついでに

  ∫1/(1-x^6)^(1/2)dx

について考えてみたい.変数変換

  x=1/√z,dz=−z^(-3/2)/2dz

により

  ∫(x,∞)1/(4z^3-4)^(1/2)dz

となる.これは慣用の記号でg2=0,g3=4のワイエルシュトラスの標準形である.

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 ワイエルシュトラスのペー関数p(u)を単にpと略記すると

[1]微分方程式は

  (p’)^2=4p^3−4

  p”=6p^2

  p^(3)=12pp’

  p^(4)=120p^3−48

[2]加法定理

  p(u+v)=−p(u)−p(v)+1/4{(p’(u}−p’(v})/(p(u}−p(v})}^2

は,v→uの極限で倍角公式

  p(2u)=−2p(u)+1/4{p”(u}/p’(u}}^2

 =−2p+1/4・(6p^2)^2/(4p^3−4)

 =(p^4+8p)/(4p^3−4)

を得る.

  p(2u)=(p^4+8p)/(4p^3−4)=1

より,p=1+√3=z

  x=1/√z=((-1+√3)/2)^1/2

  p(2u)=(p^4+8p)/(4p^3−4)=1

より,p=1+√3=z(→作図可能).

 次に

  p(2u)=(p^4+8p)/(4p^3−4)=1+√3

を解く.解析解はとても長くなる.近似解のみを示すと

  p=10.8517

 引き続き

  p(2u)=(p^4+8p)/(4p^3−4)=10,8517

を解いて,p=43.4021.

 すなわち,この曲線は定木とコンパスで弧長が2等分,4等分,8等分できることがわかったが,3等分点は

  p(u)=2+2・2^1/3+^2/3

で作図不可能であることも示される.

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