■19四乗数定理とリューヴィルの不等式(その2)
【2】リューヴィル
1859年,リューヴィルはg(4)≦53を示しました.
[Q]g(4)≦53であることを示せ.
[A]不思議な4変数恒等式を紹介します.
6(a^2+b^2+c^2+d^2)^2
=(a+b)^4+(a−b)^4+(c+d)^4+(c−d)^4
+(a+c)^4+(a−c)^4+(b+d)^4+(b−d)^4
+(a+d)^4+(a−d)^4+(b+c)^4+(b−c)^4
任意の整数mはa^2+b^2+c^2+d^2の形に表されるから,6m^2は12個の4乗数の和として表すことができる.
任意の整数はn=6q+r,0≦r≦5という形に表される.
6qは48個の4乗数の和として表すことができる.
rはr=5のとき,5=1^4+1^4+1^4+1^4+1^4であるから,g(4)≦53
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g(4)=19ですから,この結果は実際とはかなり隔たりがあるのですが,g(4)の限界を与える方法を初めて示したことになります.そのあたりからいろいろな研究がなされることになりました.
そして,19四乗数定理:
「すべての正の整数は19個の4乗数の和で表される」
は1986年に証明されています.つまり,ウェアリングの問題(18世紀)も200年以上かかって解決されたことになります.
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