■三角関数の積公式(その21)

【1】グレゴリー・ライプニッツ級数

 (その20)では,cosxの無限積表示

  cosx=(1−4x^2/π^2)(1−4x^2/9π^2)(1−4x^2/25π^2)・・・

を用いているが,tanxに対しては,部分分数の無限級数表示

  tanx=8x[1/(π^2−4x^2)+1/(9π^2−4x^2)+1/(25π^2−4x^2)+・・・]

が成り立つ.

 x=π/4とすると,

  1=4/π(1−1/3+1/5−1/7+・・・)

であるから,グレゴリー・ライプニッツ級数

  π/4=1−1/3+1/5−1/7+・・・

が導かれる.

 グレゴリー・ライプニッツ級数はπを含んでいる無限級数として最初のものなのだが,オリジナルは

  arctanx=x−x^3/3+x^5/5−x^7/7+・・・

から発見されたものである.

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【2】オイラー級数

 また,x→0としたときのtanx/xの漸近挙動から,

  π^2/8=1/1^2+1/3^2+1/5^2+・・・

さらに,

  S=1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・

   =1/1^2+1/3^2+1/5^2+・・・+1/2^2+1/4^2+1/6^2

   =1/1^2+1/3^2+1/5^2+・・・+1/4[1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・]

   =π^2/8+S/4

 したがって,

  S=1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・=π^2/6

となるが,これはオイラーにより発見された有名な級数である.

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