■相反方程式と共役な実数解(その11)

 n+1点

  (1,0,0,0,0,0,0)

  (0,1,0,0,0,0,0)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

  (0,0,0,0,0,0,1)

が,xy平面上のn+1点

  (cos0π/n+1,sin0π/7)

  (cos2π/n+1,sin2π/7)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

  (cos2(n-1)π/n+1,sin2(n-1)π/7)

に投影されるためには,2×7行列

M=[cos0π/n+1,cos2π/n+1,・・・,cos2(n-1)π/n+1]

  [sin0π/n+1,sin2π/n+1,・・・,sin2(n-1)π/n+1]

が必要になる.

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n次元正単体のN+1頂点

は超平面:x1+x2+x3+x4+x5+x6+x(n+1)=1上にあります。

また、赤道面

は超平面:x1-x4=X(x2-x3),x2-x5=X(x3-x4),x3-x6=X(x4-x5),x4-x7=X(x5-x6)・・・対角線の長さXとなるための条件

X=1+2cos(180-180(7-2)/7)=1+2cos(360/7)

一般に X=1+2cos(360/(N+1))

正方形の場合は式が異なり、X=2cos(45)=√2

正五角形の場合はX=1+2cos(360/5)=1+(√5-1)/2=τ

正六角形の場合はX=1+2cos(360/6)=1+1=2

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例えば、面P1P2P3P4P5はx1+x2+x3+x4+x5=1,x6=0,x7=0上にあり、

x1-x4=X(x2-x3),x2-x5=X(x3-x4),x3=X(x4-x5),x4=X(x5)

との共有点は

x4=X(x5),x3=X(X-1)x5={X^2-X}x5,x2=X{X^2-X-X}x5+x5={X^3-2X^2+1}x5,

x1=X{X^3-2X^2+1-X^2+X}x5+Xx5={X^4-3X^3+X^2+2X}x5をx1+x2+x3+x4+x5=1に代入すると

(X^4-2X^3+2X+2)x5=1

まずこの多項式を表す方法が分からない・・・

F0=0

F1=1

F2=X

Fn=X(Fn-1-Fn-2)+Fn-3

F3=X(F2-F1)+F0=X(X-1)

F4=X(F3-F2)+F1=X{X(X-1)-X})+1=X^2(X-1)-X^2+1

4項漸化式であるから3次方程式を解く必要がある。

a^3-Xa^2+Xa-1=0

(a-1)(a^2-(x-1)a+1)=0

a=1/2・{(x-1)+-{(x-1)^2-4}^1/2}

a=1/2・{2cos(360/(N+1))+-{4cos(360/(N+1))^2-4}^1/2}

a=1/2・{2cos(360/(N+1))+-{-4sin(360/(N+1))^2}^1/2}

a=1/2・{2cos(360/(N+1))+-2isin(360/(N+1))}

a={cos(360/(N+1))+-isin(360/(N+1))}・・・複素数となった

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【3】本例

 kパスカルの三角形の自己相似性については省略し,kフィボナッチ数列の一般項を求めるあらすじを紹介したい.特性方程式

   x^2−x−1=0,x^3−x^2−x−1=0,・・・は重解をもたないので,これらの行列は対角化可能である.k=3の場合で示すが,

  A3 =[0,1,0]

     [0,0,1]

     [1,1,1]

  P^-1A3P=[λ1 ,0,0],P^-1A3^nP=[λ1^n,0,0]

        [0,λ2 ,0]        [0,λ2^n,0]

        [0,0,λ3 ]        [0,0,λ3^n]

 区間[3/2,2]に実数解をもつ以外にkが奇数のときは1,kが偶数のときには1と区間[−1,0]にも実数解が存在する.たとえば,特性方程式

  x^2−x−1=0

の2つの解は

  α=(1+√5)/2,β=(1−√5)/2

ただし,異なるk個の固有値はすべて実数というわけではなく,複素数解をもつので注意が必要である.

 一方,

  A3^n =[-xFn-2,-xFn-2+Fn-3,xFn-1]

 [-xFn-1,-xFn-1+Fn-2,xFn ]

 [-xFn ,-xFn +Fn-1,xFn+1]

が成り立つので,トリボナッチ数列の一般項は

  Fn=α1λ1^n+α2λ2^n+α3λ3^n

 F0=0,F1=1,F2=xならば

  α1+α2+α3=0

  α1λ1+α2λ2+α3λ3=1

  α1λ1^2+α2λ2^2+α3λ3^2=x

すなわち,ヴァンデルモンデの行列の入った連立方程式

  [1  ,1  ,1  ][α1] [0]

  [λ1 ,λ2 ,λ3 ][α2]=[1]

  [λ1^2,λ2^2,λ3^2][α3] [x]・・・この先が続かない

が得られる.結局,kフィボナッチ数列の一般項は行列の対角化と連立方程式の問題に帰着されたことになる.

  α1=λ1/(λ1−λ2)(λ1−λ3)

  α2=λ2/(λ2−λ1)(λ2−λ3)

  α3=λ3/(λ3−λ1)(λ3−λ2)

より,トリボナッチ数列の一般項は

  Fn=λ1^n+1/(λ1−λ2)(λ1−λ3)+λ2^n+1/(λ2−λ1)(λ2−λ3)+λ3^n+1/(λ3−λ1)(λ3−λ2)

のような部分分数分解の形になる.

 ところで,フィボナッチ数列{Fn}の通常型母関数f(x)は

    f(x)=F0+F1x+F2x^2+F3x^3+・・・

   xf(x)=   F0x+F1x^2+F2x^3+・・・

  x^2f(x)=       F0x^2+F1x^3+・・・

また,Fn=Fn-1+Fn-2より

  f(x)=x/(1−x−x^2)=ΣFnx^n

と簡単な式になる.kフィボナッチ数列の母関数も同様にして

  f(x)=x/(1−x−x^2−・・・−x^k)=ΣFnx^n

 =Σ(α1λ1^n+α2λ2^n+α3λ3^n+・・・)x^n

 具体的には求めないが,

  Σλi^nx^n=λix/(1−λix)

より,部分分数分解

  Σαiλix/(1−λix)=x/(1−x−x^2−・・・−x^k)

して両辺を比較することでも,αiが決定されることになる.

 こうして,kフィボナッチ数列の一般項は

 =Σλi^n+k-2/(λi−λ1)・・・(λi−λi-1)(λi−λi+1)・・・(λi−λk)

であることがわかる.

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トリボナッチ数列Tn=Tn-1+Tn-2+Tn-3では

特性方程式t^3-t2-t-1=0を解いて3根

α=1/3・(1+μ1+μ2)

β=1/3・(1+ωμ1+ω^2μ2)

γ=1/3・(1+ω^2μ1+ωμ2)

μ1=(19+3√33)^1/3

μ2=(19-3√33)^1/3を求めました。

Tn+3-(α+β+γ)Tn+2+(αβ+βγ+γα)Tn+1-αβγTn=0

Tn+3-αTn+2=β(Tn+2-αTn+1)+γ(Tn+2-αTn+1)-βγ(Tn+1-αTn)

Un=Tn+1-αTnとおくと

Un+2-βUn+1=γ(Un+1-βUn)

となって、フィボナッチ数列と同じ形になります。

α+β+γ=1

αβ+βγ+γα=-1

αβγ=1

本例の場合は

α+β+γ=x

αβ+βγ+γα=x

αβγ=1

を解く必要がが出てきますが、いずれにせよ、一般項は簡単な形には表せません。

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