■円分多項式と正多角形(その43)
【4】チェビシュフ多項式
ところで,ド・モアブルの定理:
(cosθ+isinθ)^n=cosnθ+isinnθ
の左辺を2項展開して,両辺の実部,虚部を比較すると
cosnθ=(cosθ)^n−nC2(cosθ)^n-2(sinθ)^2+・・・=(cosθのn次多項式)=Tn(cosθ)
sinnθ=nC1(cosθ)^n-1sinθ−nC3(cosθ)^n-3(sinθ)^3+・・・=sinθ×(cosθのn−1次多項式)=sinθ×Un(cosθ)
を得る.
このことから,cos(π/n),n=2m+1のとき,
cos(m+1)θ=−cosmθとsin(m+1)θ=sinmθ
では後者の方が方程式の次数が下がり,m次方程式となることがおわかりいただけるであろう.
なお,
cosnθ=cosθcos(n−1)−sinθsin(n−1)θ
sinnθ=sinθcos(n−1)+cosθsin(n−1)θ
より,漸化式
Tn(cosθ)=cosθTn-1(cosθ)−(sinθ)^2Un-1(cosθ)
Un(cosθ)=Tn-1(cosθ)+cosθUn-1(cosθ)
Tn(cosθ)=2cosθTn-1(cosθ)−Tn-2(cosθ)
Un(cosθ)=2cosθUn-1(cosθ)−Un-2(cosθ)
が成り立つ.
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