■円分多項式と正多角形(その42)
【3】cos(π/n)
θ=π/n,x=cosθが解となる方程式は,一般にn次式になると考えることは誤りである.
[1]n=2mのとき
cosnθ=2cos^2mθ−1=−1
cosmθ=0はcosθのm次式となる.
[2]n=2m+1のとき
cosnθ=cosmθcos(m+1)θ−sinmθsin(m+1)θ1=−cos^2mθ−sin^2mθ=−1
ではしょうがないので,
cosθ=cos((m+1)θ−mθ)=cosmθcos(m+1)θ+sinmθsin(m+1)θ1=−cos^2mθ+sin^2mθ=1−2cos^2mθ
とおくと,xの2m次式
x=1−(xのm次式)^2
が得られる.たとえば,cos(π/7)の場合,6次式となるが,これではほとんどメリットがない.
[3]もしcos(π/n)が既知であるならば,cos(π/2n)は2次方程式からは芋づる式に求めることができる.
2cos^2(π/4)−1=cos(π/2)=0
2cos^2(π/8)−1=cos(π/4)=1/√2
2cos^2(π/16)−1=cos(π/8)
2cos^2(π/3)−1=cos(2π/3)=−1/2
2cos^2(π/6)−1=cos(π/3)=1/2
2cos^2(π/12)−1=cos(π/6)=√3/2
2cos^2(π/5)−1=cos(2π/5)=(√5−1)/4
2cos^2(π/10)−1=cos(π/5)=(√5+1)/4
2cos^2(π/20)−1=cos(π/10)
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