■円分多項式と正多角形(その37)

 円分多項式を相反多項式にして

  y=x+1/x

とおくと

  y=2cos(2π/n)

が得られます.

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【1】正七角形

 正七角形の場合の円分多項式

  x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1x+1=0

では

  y=2cos(2π/7)

になるというわけです.

 ここでは複素数(円分多項式)を使わずに,正七角形が作図不可能であることを証明します.

[1]cos(π/7)

 cos(π/7)が3次方程式:8x^3−4x^2−4x+1=0の解として得られます.

  x=1/6{1+√7cos(1/3arctan3√3)+√21sin(1/3arctan3√3)}=0.900969

 すぐに思いつくのは7倍角の公式

  cos7θ=64cos^7θ−112cos^5+56cos^3−7cosθ

において,θ=π/7,cosθ=xとおくと

  64x^7−112x^5+56x^3−7x=−1

7次方程式の解として得られるというものであるが,3次方程式に還元させてみよう.

 θ=π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=π,4θ=π−3θ

より,

  cos4θ=−cos3θあるいはsin4θ=sin3θ

 前者は4次方程式

  8cos^4θ−8cos^2θ+1=−4cos^3θ+3cosθ

後者は

  8sinθcos^3θ−4sinθcosθ=−4sin^3θ+3sinθ

  8cos^3θ−4cosθ=−4sin^2θ+3

  8cos^3θ−4cosθ=4cos^2θ−1

より3次方程式:8x^3−4x^2−4x+1=0に帰着する.後者の方が方程式の次数が下がり,(n−1)/2次方程式となることがおわかりいただけるであろう.

[2]cos(2π/7)

 θ=2π/7,cosθ=xとおくと

  7θ=2π,4θ=2π−3θ

より,

  cos4θ=cos3θあるいはsin4θ=−sin3θ

 前者は4次方程式

  8cos^4θ−8cos^2θ+1=4cos^3θ−3cosθ

後者は

  8sinθcos^3θ−4sinθcosθ=4sin^3θ−3sinθ

  8cos^3θ−4cosθ=4sin^2θ−3

  8cos^3θ−4cosθ=−4cos^2θ+1

より3次方程式:8x^3+4x^2−4x−1=0に帰着するというわけである.

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