■テータ関数と格子(その46)
n次元偶ユニモジュラー格子のテータ関数の保型性は
Θ(az+b/cz+d)=(cz+d)^n/2Θ(z)
ad−bc=1
で表される.
16次元偶ユニモジュラー格子のテータ関数はE8
Θ(z)=1+480Σσ7(n)q^2n
ただひとつに限られる.ウィットはテータ関数がこれに一致する16次元偶ユニモジュラー格子はE8+E8,D16+の2つしかないことを示した.これらは等スペクトル格子である.
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ルート格子Dnとは,ベクトル(x1,x2,・・・,xn)の成分がすべて整数で,かつ,Σxi=偶数となる格子の総称である.
Dn∪Dn+(1/2,1/2,・・・,1/2)=Dn+
をダイアモンド型詰め込みと呼ぶが,nが偶数のときに限り格子となる.また,nが8の倍数であるとき,偶ユニモジュラー格子である.
n=8のときに限っては対称性は自明なもの以外にもたくさんある(D8+=E8).8次元の偶ユニモジュラー格子はE8だけである.
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