■テータ関数と格子(その14)
【2】不完全ガウス和
H(m,k)=Σ(k=0~k)exp(i(2π/m)k^2)
と定義する.mを固定して,k=0,1,・・・,m−1と動かすときれいな絵が得られる.
m=2(mod4)のとき,完全和は0になるから,不完全和H(m,k)は初めに2個の螺線を出たリ入ったりした後,原点に戻る.m→∞のとき,この螺線はコルニュの螺線に近づく.m=3(mod4)の場合,不完全和H(m,k)は再び2個の螺線を出たリ入ったりするが,原点には戻らず,√mで立ち往生することになる.
この様子は
[参]ナーイン「オイラー博士の素敵な数式」日本評論社
に掲載されている調和散歩の問題
(Q)原点から実軸上を正の方向に1きたところで,反時計回りにθ回転し1/2進む.さらに再度θ回転し1/3進む.次はθ回転し1/4進む.これを繰り返す
を想起させる.
(A)最終到達点は
p(θ)=1+1/2exp(iθ)+1/3exp(i2θ)+1/4exp(i3θ)+・・・
=Σ(k=1,∞)cos((k−1)θ)/k+iΣ(k=1,∞)sin((k−1)θ)/k
θ=π/2のとき
p(π/2)=(1−1/3+1/5−1/7+・・・)+i(1/2−1/4+1/6−1/8+・・・)=π/4+i1/2log2
このとき,終点と原点との距離は
|p(π/2)|={(π/4)^2+(1/2log2)^2}^1/2=0.8585
θ=πのとき
p(π)=1−1/2+1/3+1/4−・・・=log2
|p(π)|=log2=0.693
最終到達点が原点から最も近いのは,θ=πのときであることが示される.
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