■ヨハン・アルブレヒト・オイラーの不等式(その15)

【1】4平方和定理(ラグランジュの定理)

 「任意の自然数は4つの平方数の和の形に表せる.」

すなわち「n=□+□+□+□」

 オイラーはこの定理の直前まで行きながら,最後の段階で成功しませんでした.ラグランジュはオイラーの研究成果からアイデアを得て,1772年,最後の段階を突破しました(オイラー・ラグランジュの定理).

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【2】ウェアリングの問題

 1770年,ウェアリングは4平方和定理を拡張して,「任意の整数はたかだか9個の3乗数の和として,あるいは19個の4乗数の和として表される」ことを証明抜きで主張しました.

 g(k)=Nは,すべての正の整数がN個の非負のk乗ベキの和であるという性質を満たす最小の整数Nを表す.4平方和定理(ラグランジュの定理)はg(2)=4は3個の整数の和で表せない整数が存在することを意味している.

 ウェアリングの主張は

  g(3)≦9,g(4)≦19

というものである.この問題は多くの数学的思考を刺激し,1909年に至ってヒルベルトによって,どの数もいくつかのn乗数の和で表されることが証明されています.・・・g(k)は有限である.

 以下,37個の5乗数の和,73個の6乗数の和,・・・と続きますが,この最良値を完全に決めることはまだできていませんが,下限について

 q=[3^k/2^k]とおくと,

  g(k)≧2^k+q−2

は証明されています(ヨハン・アルブレヒト・オイラー).

  g(k)=2^k+q−2

と予想されています.

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