■ヨハン・アルブレヒト・オイラーの不等式(その14)

 ヨハン・アルブレヒト・オイラーの不等式の証明は,簡単でいてしかも面白い証明ですの是非お読みください.以下の証明を読めば,なにゆえをもってn=2^k[(3/2)^k]−1が出てきて,g(k)=[(3/2)^k]+2^k−2がウェアリングの問題のかなりの範囲のところまで正しいことがわかるはずです.

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(Q)kを正の整数として,n=2^k[(3/2)^k]−1とするとき,n=x1^k+・・・+xg^kと書かれるような最小の正の整数gを求めることにより,

  g(k)≧2^k+[(3/2)^k]−2

であることを示せ.

(A)簡単のため,q=[(3/2)^k]とおく.このとき,

  2^kq−1<3^k

であるから,nをk乗数の和として表すときに1^kと2^kしか使えないことがわかる.

  7=2^2+1^2+1^2+1^2

  23=2・2^3+7・1^3

のように,n=2^k+・・・+2^k+・・・とできるだけ2^kを並べ,あとは1^k+・・・+1^kとすればよい.

 また,

  n=2^k[(3/2)^k]−1

は2^kを最大で[(3/2)^k]−1個含むことに注意すると

  n=2^k{[(3/2)^k]−1}+2^k−1

 つまり,2^kを[(3/2)^k]−1個,1^kを2^k−1個使って表すしかない.nをk常数の和として表すのに必要な最低限の個数は

  g=[(3/2)^k]−1+2^k−1

 よって,

  g(k)≧2^k+[(3/2)^k]−2

が成り立つ.

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