■多元数(その55)
【4】ケイリー
ハミルトンの有名な四元数は複素数の拡張ですが,さらに,イギリスの数学者ケイリーによって8個の基底元1,i,j,k,l,m,n,oをもつ代数<八元数>も発明されました(1845年).
i2 =j2 =k2 =l2 =m2 =n2 =o2 =−1,
i=jk=lm=on=−kj=−ml=−no,
j=ki=ln=mo=−ik=−nl=−om,
k=ij=lo=nm=−ji=−ol=−mn,
l=mi=nj=ok=−im=−jn=−ko,
m=il=oj=kn=−li=−jo=−nk,
n=jl=io=mk=−lj=−oi=−km,
o=ni=jm=kl=−in=−mj=−lk
八元数では,乗法の結合法則も破れていて(a(bc)≠(ab)c),現在では幾何学の分類などに応用されています.さらに,16個の基底元をもつ同様の代数を構成しようと試みられましたが,それは成功するはずはありませんでした.
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