■ペンタゴンとペンタグラム(その14)

 本シリーズをまとめておきたい.このシリーズでは,n次元立方体・正軸体・正単体を2次元平面上に複数の頂点がなるべく重ならないように座標軸をとって,実際に描く方法について考察した.

 4次元立方体・正軸体・正単体の場合を実際に描くことをを試みた.その表示法はワイヤーフレームモデルであって,ワイヤーフレームモデルは図形を網目として素通しで見るものであるから,ややリアリティーに欠けるものの,複雑な手順を必要としない最も簡単な表示法である.

 そのため,以下の図はそれぞれ正8角形,正8角形,正五角形に適当に対角線を引いたように見えるかもしれないがそうではない!

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[1]4次元立方体の2次元投影図

 白銀比は正八角形と密接な関係にある.正八角形に3/8角形を書き入れると正八角形できるが,この手順を繰り返すと,正八角形と星形8/3角形が少しずつ縮小しながら無限に入れ子状になった図形を作ることができる.ところで,この図形は4次元立方体の2次元投影図でもある.

 n次元立方体では,nが2のベキ(n=2,4,8,16,・・・)のとき,中心部に穴が開く.

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[2]4次元正軸体の2次元投影図

 n次元正軸体では,nのパリティ−に関わらず,中心部に穴が開く.

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[3]4次元正単体の2次元投影図

 黄金比は正五角形と密接な関係にある.正五角形に対角線を書き入れると星形五角形できるが,この手順を繰り返すと,正五角形と星形五角形が少しずつ縮小しながら無限に入れ子状になった図形を作ることができる.正五角形に対角線を描き入れると星形五角形(ソロモンの星)ができるが,正五角形と星形五角形の入れ子はペンタグラムと呼ばれる.この図形が4次元正単体の2次元投影図であることを知っている人は少ないだろう.

 n次元正単体の場合は,nが偶数のとき中心部に穴が開く.

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