■15番目の五角形平面充填(その5)

2017年に

 凸五角形タイル張り問題が完全に解かれた可能性が高いとの記事を書いた.

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正五角形は平面を埋め尽くすことはできないが、家形五角形であれば1種類だけで平面を埋め尽くすことができる。

平面を埋め尽くすことができる五角形の数学的な研究を始めたのはドイツの数学者・ラインハルトだった。彼は、1918年に5種類の平面充填凸五角形を発見した。

その後50年はさしたる進展はなかったが、1968年、アメリカのカーシュナーが新しい3種類の平面充填凸五角形を発見した。彼はn>6の凸n角形による平面充填が不可能であることも証明している。

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マーチン・ガードナーによる1975年のサイエンティフィック・アメリカン誌の記事をきっかけに多くの一般人がタイル貼りに興味をもつようになった。同年、プログラマーのジェームズが新しい平面充填凸五角形を発見、これで合計9種類となった。

主婦ライスがさらに4種類の新しい五角タイル貼りを発見した。アメリカ数学協会のロビーの床が彼女の発見した五角タイル貼りで飾られていることはよく知られている。

1985年、ロルフ・シュタイン、2015年、マンとデラウにより新しい2種類が加わって、これで合計15種類となった。

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2017年、フランスの数学者ミカエル・ラオはコンピュータを使って徹底的に分析し、これまで発見された15種類のタイル貼りがすべてであることを証明した

(しかし、ラオによるコンピュータを使った分析は、いまだに第3者による検証を受けていないということである。)ともあれ、1918年にラインハルトが始めた五角タイル貼り問題は100年後のゴールにたどり着くことになったのである。

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