■ダヴィンチボールとゾムボール(その2)
ダヴィンチボールのジョイントは単純な切れ込みであるが、ゾムボールはかなり巧妙に仕上がっている。
ゾムボールはゾムツールのジョイントであるが、実にうまく作ったものだと感心させられる。
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12枚の正五角形、30枚の正方形、20枚の正三角形で、構成される小菱形12・20面体はアルキメデス立体の1例である。
この多面体の正方形を長方形にしたものがゾムボールである。この形は以前木工で設計したことがあるが、62面体なので結構労作となる。
ゾムボールをジョイントとして連結棒を差し込んで多面体を作るおもちゃが「ゾムツール」である。
「ゾムツール」はイメージミッション木鏡社から販売されている。
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【1】正20面体群に属する多面体
正20面体,正12面体と同じ対称性を有する多面体は多数ある.たとえば,切頂によって
正12面体←→切頂12面体←→12・20面体←→切頂20面体←→正20面体
のような切頂型の準多面体系列ができる.さらにこれらに対して切稜を加えると大菱形12・20面体[4,6,10]や小菱形12・20面体[3,4,5,4]のような切頂・切稜型準正多面体となる.
正20面体を切頂して不等辺六角形の2種類の辺の長さの比が黄金比になるようにするには,切頂比を
1/(2+τ)=0.276393
あるいは
1/(2+1/τ)=0.381966
にすればよい.
[参]平賀賢二「準結晶の不思議な構造」アグネ技術センター
p21には後者の図が描かれているが,後者では前者に較べて正五角形面が大きくなる.
また,同ページには小菱形12・20面体[3,4,5,4]の変形である多面体も掲載されている.これは正20面体の切頂・切稜多面体であって,切稜20面体の頂点を五角錐状に切り落としたものである.その際,長方形面が黄金長方形になるようにするには,切稜比を
1/(3+τ)=0.216542
か
1/(3+1/τ)=0.276393
にすればよい.「準結晶の不思議な構造」に描かれている図は前者である.
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【2】正20面体群に属する多面体の木工製作
(1)切稜比1/(3+τ)=0.216542の正20面体の切頂・切稜多面体
(2)切頂比1/(2+1/τ)=0.381966の正20面体の切頂多面体
では,もとの立方体の1辺の長さを2とすると
正20面体の正三角形の面間距離:1.86834
(1)の長方形の面間距離:1.83458
(1)の正五角形の面間距離:1.78827
(2)の歪六角形の面間距離:1.85471
と計算された.
以下に,中川宏さん製作の木工模型を掲げる(左(1),右(2)).
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