■飽和炭化水素の構造異性体数(その9)

 炭素数12の飽和炭化水素C12H26の構造異性体数は357と記した.

  位数  :1,2,3,4,5,6,7, 8, 9,10, 11, 12, 13,・・・,k,・・・

  異性体数:1,1,1,2,3,5,9,18,35,75,159,357,799,・・・,f(k),・・・

 一方,炭素数12の飽和炭化水素C12H26の異性体の理論的な数は355と記している文献もある,そこで,

  [参]細矢治夫「トポロジカル・インデックス」日本評論社

で,調べた値を書くと

  位数  :1,2,3,4,5,6,7, 8, 9,10, 11, 12, 13,・・・,k,・・・

  異性体数:1,1,1,2,3,5,9,18,35,75,159,355,802,・・・,f(k),・・・

とあり,炭素数12以降に食い違いがみられる.どうなっているのだろうか?

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この異性体の数え上げ問題は,ひとつの点からでる線の数(次数)が4以下に限られるため,純粋なグラフの数え上げ問題と若干異なっているためと思われたのであるが、それでは次数4のポリオミノと比較してみよう。

n=5,6,7の構造異性体数:3,5,9

正方形を5個集めて作られる図形(ペントミノ)は全部で12種類ある.回転や反転で同型になるものは同じと数えると,

n=5,6,7のポリオミノ:12,35,108

どうなっているのだろうか?→構造異性体と数え上げ問題と条件が異なっているため、少し考えてみると当然のことだとわかるだろう

正三角形を6個集めて作られる図形(ヘキサモンド)は全部で12種類ある.

n=5,6,7のポリアモンド:4,12,24

次数3のポリアモンドより少ないとは一体どうなっているのだろうか?

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