■くり抜ぬかれた線分・正方形・立方体

[1]単位区間[0,1]を3等分して,中央の区間[1/3,2/3]を取り除く.

[2]残った2つの区間をそれぞれ3等分して中央の区間[1/9,2/9]および[7/9,8/9]を取り除く.

[3]3等分して中央の区間を取り除く操作を無限に繰り返す.

 取り除かれる区間の長さの合計を求めてみよう.

  1/3+2・1/9+4・1/27+16・1/81+・・・

は,公比2/3のミュ言及数であるから

  1/3+2・1/9+4・1/27+16・1/81+・・・

→1/3/(1−2/3)=1

 実際には無限に多くの点が残っているのに,取り除かれる区間の長さに合計は1となって,何の残らないことになる.

 このように,カントル集合は特異な性質をもつ集合の1例である.

[0,1]を3等分して中央の区間を取り除くという操作を繰り返す.方眼紙を1枚もってきてこの図形にかぶせ,この図形を覆っているマス目の個数を数える.つぎにマス目の大きさを半分にした方眼紙で同じことを繰り返す.もとの図形が線であればマス目の数は2=2^1倍に,面であればマス目の数は4=2^2倍に増える.

 マス目の大きさを1/3にした方眼紙で同じことを繰り返すと画素数は2倍になるから,

  3^d=2→d=log2/log3=0.6309・・・

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 カントル集合を生成する手順を平面上にに一般化してみたい.

[1]正方形を9個の小立方体に分割して,中央にある1個の小正方形を取り除く.

[2]残った8個の正方形をそれぞれ9等分して中央の1個の小正方形を取り除く.

[3]この操作を無限に繰り返すと,シェルピンスキーの絨毯が現れる.

 ます単純な正方形を描き,次にそれを同じ大きさの9つの正方形に分割して,中央の1個を取り除く.これを無限回繰り返す.

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 マス目の大きさを1/3にした方眼紙で同じことを繰り返すと画素数は8倍になるから,そのフラクタル次元は

  3^d=8→d=3log2/log3

となる.

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[1]立方体を27個の小立方体に分割して,中央にある7個の小立方体を取り除く.

[2]残った20個の立方体をそれぞれ27等分して中央の7個の小立方体を取り除く.

[3]この操作を無限に繰り返すと,メンガーのスポンジが現れる.

 その3次元版(メンガーのスポンジ)では,ます単純な立方体を描き,次に同じ大きさの27個の正方形に分割して,体心と面心に位置する7個を取り除く.これを無限回繰り返す.

 マス目の大きさを1/3にした方眼紙で同じことを繰り返すと画素数は20倍になるから,そのフラクタル次元は

  3^d=20→d=log20/log3

となる.

 細分が進むにつれて,メンガーのスポンジの体積はどんどん小さくなるが,表面積は際限なく増え続ける.

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