■八元数の応用(その3)
八元数は長い間放置されていたのであるが、1980年代、数理物理学(弦理論)と結びついた
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素粒子物理学のスピンには正と負があって,実際に回転しているわけではないが,それぞれ時計回りと反時計回りにたとえられる.
そして,ディラック方程式が明らかにしたことは,宇宙には2種類の粒子があり,ひとつはボーズ粒子で,整数スピン(0,±1,±2,・・・)をもち,2つの粒子を交換しても符号は変化しない.その代表は光子である.
もう一つはフェルミ粒子で,半整数スピン(±1/2,±3/2,・・・)をもち,波動関数は四元数的(スピノル)で,粒子の交換により符号が変化する.通常の物質の基本粒子(陽子・中性子・電子)はすべてフェルミ粒子である.
スピンが1の粒子を空間内で360°度回転させると最初と同じ状態になるが,スピンが1/2の粒子を空間内で360°度回転させても最初と同じ状態には戻らず,720°度回転させると元に戻る.これはスピン群SU(2)と回転群SO(3)とは異なり,SO(3)をSU(2)が二重被覆しているためである.
また,ボーズ粒子には集合する性質があり,それを利用してレーザーに使われる.逆に,フェルミ粒子には離散する性質があるため原子には電子軌道があるというわけである.
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