■41+n+n^2(その11)
2次の素数生成公式について考えます。
n^2+n+41についてはn=0から39まで素数であることがわかります。
ところが、2015年に読者の方から
「n^2+n+kがn=0〜k-2のとき素数になるには、0≦n≦√(k/3)のとき素数になることが必要十分だとわかっているようです.」
という情報をいただいきました
この性質により効率的な判定が可能となります。
n^2+n+11についてはn=0,1について素数であることを確かめればn=0から9まで素数であることがわかります。
n^2+n+41についてはn=0,1,2,3について素数であることを確かめればn=0から39まで素数であることがわかります。
これが正しいことを確認するのは簡単ですが,それ以来、時々この問題を思い出しては証明を試みては跳ね返されてきた。
この問題が数学オリンピック(1987)の問題であることを知ったのは2021年のことだった。
数学オリンピックの中でも難問に属する問題なのだそうですが、実は初等的に証明できるのだそうである。
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an=n^2+n+k
a0,a1,a2,・・・,ak-2に一つでも素数でなければ矛盾が生ずることを示します。
最初に現れる素数でない数をasとすると、
a0,a1,a2,・・・,as-1は素数、asは素数でない。最も小さい素因数をpとすると
as=s^2+s+k=p・q・r・・・
as=s^2+s+k≧p^2
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a0,a1,a2,・・・,as-1は素数であるが、このなかにpが出てくるかどうかを分析する
as-a0,as-a1,・・・,as-as-1
as-an=s^2+s-n^2-n=(s-n)(s+n+1)より
as-a0=s(s+1)
as-a1=(s-1)(s+2)
as-a2=(s-2)(s+3)
as-as-1=1x2s
ここでp≦2sと仮定すれば因数分解のどこかに素数pが顔を出すことになる。
それをatとすると
0≦t≦s-1
as-at=(s-t)(s+t+1)
s-t=pまたはs+t+1=p
as-atはpの倍数となり、もともとasはpの倍数ですから、atもpの倍数。
atは素数ですから、atはpそのもの。
したがって、at=t^2+t+k=p
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-1<t^2,s≦k-2なので、s+t+1<t^2+t+k=p
s-t<s+t+1<pとなって、矛盾。仮定p≦2sがまずかったことになる。
したがって、2s+1≦p・・・これが0≦n≦√(k/3)、n^2+n+kは素数に引っかかることになる。
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s^2+s+k≧p^2≧(2s+1)^2=4s^2+4s+1
k≧3s^2+3s+1
s=√(k/3)とおくと3s^2+3s+1>kとなるから
s≦√(k/3)であるが、asは素数になってしまい、仮定に反する。
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[参]小島寛之「数学オリンピック問題にみる現代数学」講談社ブルーバックス
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