■√(1+√(1+√(1+√(1+・・・))))は(1+√5)/2である

 √(1+√(1+√(1+√(1+・・・))))=(1+√5)/2=φ  (黄金比)

  √(2+√(2+√(2+√(2+・・・))))=2

は,それぞれ

  √(1+x)=x → x^2−x−1=0

  √(2+x)=x → x^2−x−2=0

として2次方程式の解より求めることができる.

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 縦横比が黄金比、すなわち1:(√5+1)/2=1:1.618の長方形を黄金長方形とよびます。黄金長方形から正方形を取り去ると再び小さい黄金長方形が残ります。同様にしてこの手続きは無限に続行できます。したがって、黄金比はユークリッドの互除法によって「1」だけを使って連分数に展開できる無理数であり、すなわち、

(1+√5)/2=[1;1,1,1,1,1,・・・]

その意味では最もゆっくり収束する無理数であり、最もシンプルなフラクタル生成装置ともいえます。

 黄金比φは2次方程式:x2 −x−1=0の根であり、φ=(√5+1)/2=1.618です。1/φ=φ−1ですから、黄金比の逆数1/φは(√5−1)/2=0.618になります。正五角形の対角線の長さは辺の長さの黄金比倍で、古来より調和のとれた美しい比としてたくさんの美術作品の中に使われてきました。岩波新書版の縦横比もおおよそ黄金比倍になっています。また、植物の葉序に黄金比が使われていることは有名な話であり、黄金比は身近な現象にもしばしば登場しこの種の話題には事欠きません。

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1辺の長さが1の正多角形を考える.正三角形は対角線をもたないが,正六角形には長さ√3と2の2種類の対角線がある.対角線の長さが1種類なのは正方形の√2と正五角形の(1+√5)/2に限られる(もうひとつの正方形と正五角形の特殊性). √2とφ=(1+√5)/2は1辺と対角線の長さの比である特別な値であって,それぞれ白銀比,黄金比と呼ばれている.つぎに縦横比が白銀比,黄金比の長方形を考える.白銀長方形を長辺を2等分するように2つ折りにすると,一回り小さな白銀長方形が現れる.このことから白銀長方形は紙のサイズの規格になっている.一方,黄金長方形から正方形を取り除くと一回り小さな黄金長方形が現れてくる.黄金長方形も自己再現型図形としてよく知られている.

 この操作は無限に続けることができるが,このことは黄金比,白銀比がそれぞれ,無限級数

  1+1/φ+1/φ^2+1/φ^3+1/φ^4+・・・=φ^2

  1+1/2+1/2^2+1/2^3+1/2^4+・・・=2

無限連分数

  φ=[1:1,1,1,,1,・・・]

  √2=[1:2,2,2,2,・・・]

で表されることと同義である.

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