■ポーランド数学(その3)
[1] 第1次世界大戦から第2次世界大戦までの時期,ポーランドのルヴフに住む数学者の一団が「スコティッシュ・カフェ」という喫茶店に集っていた.その主要メンバーはシュタインハウス,バナッハ,ウラムなどである.
彼等は議論した問題をノートに書き留めた.やがて,その分厚いノートは「スコティッシュ・ブック」と呼ばれるようになった.たとえば,シュタインハウスはハムサンドイッチ定理を3次元に拡張できないかと考えて,それをノートに書き込む.それを読んだバナッハはそれが可能であることを証明したという具合である.
また,シュタインはウスは3人によるケーキの公平な切り分け方についても考えた.2人なら一人が切り分けて,もう一人が好きなほうを選ぶ方法が使える.実は何人であっても使える方法があって,ケーキを少しずつ切り分けでいく.誰かがストップと叫んだら,その場所でナイフをいれ、その切れ端を叫んだ人がもらう.そして残った人で同じことを続けるのである.
[2]こうして「スコティッシュ・ブック」にはポーランドの有名な問題が集められた。その第2問がバナッハ・ウラムの問題(1935年)である。
どんなコンパクト距離空間もボレル集合上の有限加法的合同変換不変な確率測度を持つか?
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