■もうひとつの分解合同定理(その10)

Tomkowicz, Wagon著、佐藤健治訳「バナッハ・タルスキーのパラドックス」共立出版が刊行された。 Banach-Tarski Paradox第二版では、内容は大幅に改訂されたようである.(当時のポーランド学派の論文には、これに匹敵するような奇怪な定理は結構あるらしい。)

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[1]real worldにおける幾何学的な分割とvirtual worldにおける集合論的な分割のdiscrepancyについて、いま、読書2回目であるが、依然として狐につままれたような・・・

[2]たとえば、Rogersは(1/3,2/3)U(7/9,8/9)U(25/27,26/27)U(79/81,80/81)U・・・は(0,1/2)と分解合同であるかという問題を提起した。

1/3/(1-1/3)=1/2

であるから、任意の断片を許すなら答えは肯定的であるが、(0,1/2)と1次元幾何学的物体として分割合同か?は未解決である。

[3]私個人の覚書:正の数Cに対して、16(N+1)^2<(1+1/4C)^Nなる最小の正の整数NをN(C)とする。N(C)はどれくらいの大きさになるだろうか?

N(.1)=6

N(.2)=10

N(.3)=14

N(.4)=18

N(.5)=23

N(.6)=28

N(.7)=32

N(.8)=37

N(.9)=42

N(1)=48

N(1.5)=75

N(2)=103

N(2.5)=132

N(3)=162

N(5)=290

N(10)=636

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