■正三角形の正方形化と分解合同定理
正三角形が4つの断片に切り分けられていて,ハトメを中心として回転させると正三角形が正方形に変身するというパズルをご存知でしょうか?
正三角形を6ピースに切って並び替えると正方形に作り替えることができるパズルもあるのですが,その切断はあまりエレガントではありません.切り方を工夫してピースの個数を減らしたい・・・これは大変な難問ですが,デュドニーはわずか4ピースにして1回のハトメ返しで正三角形から正方形に移すことに成功しました.
ハトメのうち2つは正三角形の2辺の中点にあり,もう一つの辺は0.982:2:1.018に内分され,その一方にハトメがついています.このパズルには平面充填形(タイル張り)の理論が潜んでいることに気づけばその切り分け方を見いだすことができます.
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デュドニーのカンタベリー・パズルやタングラムは分解合同の例であるが,任意の多角形は同じ面積の正方形と分解合同である(ボヤイ・ゲルビンの定理).
3次元の多面体分割では,ボヤイ・ゲルビンの定理に類似するものは存在するのだろうか?
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【1】デーン・シドラーの有限分解合同定理
デーンは1901年に「体積の等しい多面体であって,一般には分解合同ではない」ことを,辺の長さと二面角に基づくデーン不変量を割り当てることによって証明した.それはヒルベルトの第3問題に対する答えになっていた.当時デーンは22才で,これはヒルベルトの23問題の中で最初に解決されたものであった.
デーンは分解合同となるための必要条件だけを示したのであるが,シドラーはデーンの条件が十分条件でもあることを示した.デーン・シドラーの定理は2つの多面体が分解合同になるための必要十分条件を与えるものである.ハドヴィゲールはこの問題を平行移動に置き換えて得られる問題についても研究した.
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