■ボロミアン・リングと三位一体(その3)
3つのリングが絡みあったものは、ボロミアン・リングと呼ばれている。
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キリスト教の三位一体(trinity)のシンボルとして使われているが、その名前はイタリアの貴族・ボロニア家の紋章に使われていたことに由来する。
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円環には厚みがあり、円環1は円環2の上に、円環2は円環3の上に、円環3は円環1の上にあるように描かれていて、
それぞれの円環は別の円環の上に載っていると同時に、もう一つの円環の下になっている。
これは不可能物体であって、3つの輪が6か所で交差しながら絡まって外れないようにみえる「だまし絵」である。したがって、実際に作ることはできない。
このような絡み目はブルニアン・リングと呼ばれ、ボロミアン・リングはブルニアン・リングの最も簡単な例である。
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じゃんけんではグーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つ。それぞれの手は他の一つの手に勝つがもう一つの手には負ける。
ボロミアン・リングでは、それぞれの円環は別の円環の上に載っていると同時に、もう一つの円環の下になっている。
じゃんけんにみられるのと同じ非推移性がここでも表れているのである。
大蛇はガマに勝ち、ガマはナメクジに勝ち、ナメクジは大蛇に勝つが、それぞれもう一方には負けるというのが江戸時代の読本の児雷也、大蛇丸、綱手による「三すくみ」の人物設定である。
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