■マジックの時間

ときどきTVでマジックを見るが、最近のマジックにはどう考えてもトリックがわからないものが多く、その技術の向上には目を見張るものがある。

「手品」という語は「てづま」に由来しているという話を聞いたことがある。

つまり、「手詰まり」が語源であるというのであるからまさにそれを体現しているのであろうと思う。

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個人的にはトリックのすばらしさよりは、昔ながらの「ショウ」が好きで、ご存じないかもしれないが、

東京マジックショウのレッドスネーク・カモンだったり、ゼンジー北京氏の変色ウサギだったり・・・

数学との関係でいえば

円を一瞬で正方形に変身させたり、さらに正三角形に変身させたり

(円の正方形化は不可能であることが証明されている)

2つのリングを絡めたり、取り外したり・・・、3つのリングを絡めたり、取り外したり・・・

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3つのリングが絡みあったものは、ボロミアン・リングと呼ばれている。

キリスト教の三位一体(trinity)のシンボルとして使われているが、その名前はイタリアの貴族・ボロニア家の紋章に使われていたことに由来する。

円環には厚みがあり、円環1は円環2の上に、円環2は円環3の上に、円環3は円環1の上にあるように描かれていて、

それぞれの円環は別の円環の上に載っていると同時に、もう一つの円環の下になっている。

これは不可能物体であって、3つの輪が6か所で交差しながら絡まって外れないようにみえる「だまし絵」である。したがって、実際に作ることはできない。

このような絡み目はブルニアン・リングと呼ばれ、ボロミアン・リングはブルニアン・リングの最も簡単な例である。

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