■幾何学における6本の線分の長さ(その2)

【5】チェバの定理

三角形の内部に点をとり、その点から三角形の頂点にそれぞれ直線を引く。これらの直線によって各辺は2つに分けられる。

それぞれの長さをa,b,c,d,e,fとすると、ace=bdfが成り立つ。

【6】春木の定理

三角形の代わりに3つ円の交点間の距離を考えると、ace=bdfが成り立つ。

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【7】メネラウスの定理

チェバの定理と似ているが、三角形の辺上の点から別の辺の延長線上の点まで直線を引く。

(a+b)ce=bdfが成り立つ。

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【8】メネラウスの定理とチェバの定理

[1]メネラウスの定理

 直線が△ABCの辺またはその延長と,それぞれP,Q,Rで交わるとき

  AP/PB・BQ/QC・CR/RA=1

が成り立つ.逆に,

  AP/PB・BQ/QC・CR/RA=1

が成り立てば,P,Q,Rは1直線上にある.

[2]チェバの定理

 △ABCの辺またはその延長上にない点Oをとる.頂点A,B,Cと点Oを結ぶ直線が△ABCの辺またはその延長とそれぞれP,Q,Rで交わるとき

  AR/RB・BP/PC・CQ/QA=1

が成り立つ.逆に,

  AR/RB・BP/PC・CQ/QA=1

が成り立てば,AP,BQ,CRは1点で交わる.

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 2つの定理は一見似たような定理ですが,メネラウスの定理は「3点が1直線上にある」ことを,チェバの定理は「3直線が1点で交わる」ことを示しています.

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