■アルベロス円列の中心(その11)

【1】同心円への帰着と閉包条件

 最初の2円の直径端と中心がそれぞれ

  [−1,0,1],[α,(α+β)/2),β]   (α+β>0)

にあると仮定しても一般性は失われない.

 このとき,

  w=(z+a)/(az+1)

は半径1の円板をそれ自身に移し,[−1,0,1]はそれぞれ[−1,a,1]に移される.(円板の中心が円板の中心に移されるわけではない).

 [α,β]が[−r,r]に移されるためには,

  (α+a)/(aα+1)=−(β+a)/(aβ+1)

より,aに関する2次方程式

  a^2+2a(1+αβ)/(α+β)+1=0   (−1<a<0)

に帰着される.

  a={−(1+αβ)±{(1−α^2)(1−β^2)}^1/2}/(α+β)

  r=|(α+a)/(aα+1)|=|(β+a)/(aβ+1)|

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【2】偏心パラメータの決定

 しかし,できあがった図に初期の偏心パラメータα,βの値は反映されていない.

  r=(1−sin(π/n))/(1+sin(π/n))

が第一義的に決定され,

  a={−(1+αβ)+{(1−α^2)(1−β^2)}^1/2}/(α+β)

が第二義的に決定されると,最終的に

  r=|(α+a)/(aα+1)|=|(β+a)/(aβ+1)|

からα,βが決まるからである.

 したがって,シュタイナーの定理に対応するオイラー・フース型定理

  d^2=r^2−r(s+1/s)+1

が所与の場合は

  (α+β)/2=d,(β−α)/2=r

  α=d−r,β=d+r

  a^2+2a(1+αβ)/(α+β)+1=0   (−1<a<0)

に代入して,

  a^2+2a(1+d^2−r^2)/(2d)+1=0   (−1<a<0)

  a=−(1+d^2−r^2)/(2d)+{((1+d^2−r^2)/(2d))^2−1}^1/2

が決定される.

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