■タクシー数のラマヌジャン解(その35)

ラマヌジャンが示した

  a^3+b^3=c^3±1

のパラメータ解が正しいことが確認された.

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【1】ラマヌジャン解

 3つの数列{an},{bn},{cn}の母関数を以下のように定義する.

  Σanx^n=(1+53x+9x^2)/(1−82x−82x^2+x^3)

  Σbnx^n=(2−26x−12x^2)/(1−82x−82x^2+x^3)

  Σcnx^n=(2+8x−10x^2)/(1−82x−82x^2+x^3)

 すると

n      an        bn        cn

0       1       2        2

1     135     138      172

2   11161   11468    14258

3  926271  951690  1183258

のようになりますが,このとき

  an^3+bn^3=cn^3+(−1)^n

がすべてのn=0,1,2,3,・・・に対して成り立つ.

しかし、どうすればそんなことに気づくことができたのだろうか?

ラマヌジャンが如何にして3つの数列を結びつけることができたかは知る由もないが、長い間、数について研究し、様々な関連性を熟知していなければできないことだろう。才能・熱烈な好奇心・集中力のおかげでラマヌジャンは数の達人になることができたのである。

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【2】もうひとつのラマヌジャン級数

[1]ラマヌジャン級数

 1/π=2√2/99^2Σ(4k)!(1103+26390k)/(396)^4k(k!)^4

は不思議な式です.中央四項係数(4k)!/(k!)^4が登場している.右辺のΣ以降はともかくとして,k=0としても

  2π√2=99^2/1103

は8桁正しい値を与える.これだけでも,私にはその意味を見抜くことができません.収束は早いのですが,長い間,証明されなかった理由がそこにあります.

ラマヌジャンのノートには類似の公式が17個も書き綴ってあったそうである.その中からひとつだけ紹介すると

  1/π=Σ(2nCn)^3(42n+5)/(2^12n+4)

ここにも,中央二項係数(2nCn)が出現している.

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