■ペリトロコイドからフルヴィッツ曲線へ(その10)

【補1】ペリトロコイド曲線

広義のペリトロコイド

x=a・cos(αt) + b・cos(βt)

y=a・sin(αt) + b・sin(βt)

のa, b, α, βに正負の符号を許せば,エピサイクロイド・ハイポサイクロイド,エピトロコイド・ハイポトロコイドもすべてこの範疇に属すことになる.一方,狭義のペリトロコイドとは,半径の異なる2つの円があり,半径Rの円に半径r(

半径Rの円周上の点Pの軌跡は

x=(R-r)・cos(αt) + R・cos(βt)

y=(R-r)・sin(αt) + R・sin(βt)

回転円に固定されたアームの先端と回転円の中心との距離がLのときは

x=(R-r)・cos(αt) + L・cos(βt)

y=(R-r)・sin(αt) + L・sin(βt)

となる.

古代ギリシャの人々はすべての天体の運動は円とその組み合わせによって支配されると考え,固定円の軌道上を小さく円を描きながら動く回転円を使って地球の周りを運行する惑星の軌道を説明した.この曲線は地球から見たときの惑星の逆行運動の説明に用いられ,古代ギリシャ人が惑星運行の連続かつ閉軌道を表現するために2つの円運動の合成を考えていたことを窺い知ることができる.これは2項よりなる有限フーリエ級数とみなすことができることから,フーリエが波や振動を正弦曲線に分解できると考えるに至った萌芽とすべき(由緒正しき)曲線である.

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