■ペリトロコイドからフルヴィッツ曲線へ(その6)

【3-c】ローター曲線の包絡線

ステーター曲線を設計するため,今度はローター曲線

x=(n-2)acos(nt)+nacos(n-2)t-2Rsint

y=-(n-2)asin(nt)+nasin(n-2)t-2Rcost

を(n−1)公転について1回自転させてみる.その際,公転と自転の向きを同じ方向にとると,

[X]=[cosθ,-sinθ][x]+[acos(n-1)θ]

[Y]=[sinθ, cosθ][y]+[asin(n-1)θ]

ローター曲線の運動族は

X=(n-2)acos(nt-θ)+nacos{(n-2)t+θ}-2Rsin(t-θ)+2acos{(n-1)θ}

Y=-(n-2)asin(nt-θ)+nasin{(n-2)t+θ}-2Rcos(t-θ)+2asin{(n-1)θ}

で表される.

その包絡線を得るために

(∂Y/∂t)(∂X/∂θ)-(∂X/∂t)(∂Y/∂θ)=0

を計算する.この計算は非常に煩雑であるから具体的な形は割愛し,考え方を示すにとどめるが,得られた方程式をうまく解くと,

A・cos(mθ)+B・sin(mθ)=C

の形に整理される.ここで

cosψ=A/(A^2+B^2)^(1/2),

sinψ=B/(A^2+B^2)^(1/2),

tanψ=B/A

とおくと,

cos(mθ-ψ)=C/(A^2+B^2)^(1/2)

より

cos{mθ-arctan(B/A)}=C/(A^2+B^2)^(1/2) 

m=n-2

A=-sint, B=cost, C=-cos(n-1)t

より,解くべき方程式は

cos(mθ+t)+cos(n-1)t=0

cos{(mθ+nt)/2}・cos{(mθ-(n-2)t)/2}=0

となって,

(mθ+nt)/2=π/2,3π/2,5π/2,・・・

(mθ-(n-2)t)/2=π/2,3π/2,5π/2,・・・

となり,2種類の解θ=θ(t)が得られる.

ローター曲線

x=(n-2)acos(nθ)+nacos(n-2)θ-2Rsinθ

y=-(n-2)asin(nθ)+nasin(n-2)θ-2Rcosθ

を(n−1)公転について1回自転させてみる.その際,公転と自転の向きを逆方向にとると,

[X]=[cosθ, sinθ][x]+[acos(n-1)θ]

[Y]=[-sinθ, cosθ][y]+[asin(n-1)θ]

すなわち,その運動族は

X=(n-2)acos(nt+θ)+nacos{(n-2)t-θ}-2Rsin(t-θ)+2acos{(n-1)θ}

Y=-(n-2)asin(nt+θ)+nasin{(n-2)t-θ}-2Rcos(t+θ)+2asin{(n-1)θ}

で表される.同様に

m=n

A=-sint, B=cost, C=cos(n-1)t

cos(mθ+t)-cos(n-1)t=0

sin{(mθ+nt)/2}・sin{(mθ-(n-2)t)/2}=0

(mθ+nt)/2=0,π,2π,3π,・・・

(mθ-(n-2)t)/2=0,π,2π,3π,・・・

===================================