■円定理のいろいろ

【1】モンジュの3円定理

 平面上に相異なる半径で互いに交わらない3円があるとき,それらのうちの2円ずつに接する接線の3交点は一直線上に並ぶ.

 この定理は2次元における定理であるが,3円を3球に変えて,3次元空間で見事に証明されるのであるが,これは特筆すべきことであろう.すなわち,・・・

 空間内に相異なる半径で互いに交わらない3球があるとき,それらのうちの2球ずつに接する接円錐の3頂点は同一平面上にある.

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【2】デカルトの4円定理

 3つの円のそれぞれが他の2つの円と接するように配置する.ここで第4の円を3円すべてと接するように配置させることができる.そのとき,

 [1]3円に囲まれた領域(+)

 [2]3円を取り囲む領域(−)

の2通りの配置が可能である.

 このとき,円の半径をri,曲率をci=1/riとすると,

  c1^2+c2^2+c3^2+c4^2=1/2(c1+c2+c3+c4)^2

が成り立つ.

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【3】ミケルの5円定理

 5円定理「あるひとつの円周C上に中心をもつ5つの円を5円のそれぞれが隣の円とC上に交点をもつようにして描く.5つの円は同じ大きさである必要はない.このとき,もう一つの交点を結ぶと星形五角形となり,その頂点は5つの円周上にある.」を,五角形から始めて星形五角形を作り,三角形の外接円の交点が同一円周上にあるとした定理である.

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【4】7円定理(1974年)

まず,ひとつの円を描きその周りに6個の円を並べる.それら6つの円はどんな大きさでもよい(直線でもよい)が両隣の円および最初の円に接するようにする.

 このように6個の連結した円の鎖がひとつの円に外接しているとき,6つの円が最初の円に接している接点のうち,相対する点同士を結ぶ3本の直線は1点で交わる.

「大円に内接し,それぞれの円も両側の円に接する6つの円を描く.大円上にある6個の接点は3対に分けられるが,その3対の2点を直線で結ぶと,3直線はつねに1点で交わる.」

連鎖する6円が7番目の円に外接する場合を考える。

6円のうち、一つおきの半径が無限大になったときの極限を考えると、3つの円は直線(三角形の辺)に、残りの3つの円は三角形に内接する円になる。

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【5】チェバの定理

三角形の内部に点をとり、その点から三角形の頂点にそれぞれ直線を引く。これらの直線によって各辺は2つに分けられる。

それぞれの長さをa,b,c,d,e,fとすると、ace=bdfが成り立つ。

【6】春木の定理

三角形の代わりに3つ円の交点間の距離を考えると、ace=bdfが成り立つ。

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