■ディリクレ・フルヴィッツ・ロス(その8)
|α−p/q|<1/cq^2
|qα−p|<1/cq
ではなく,与えられた2数α,βに対して
|qα−p−β|<1/cq
というような評価が必要になることがある.
ミンコフスキーは「数の幾何学」を用いて,
|qα−p−β|<1/4q
となるような無限に多くの整数p,qが存在することを証明した.
4が最良値であって,これより大きい値では置き換えられない.
その拡張として,与えられたn個の独立な無理数に対して
|q1α1+q2α2+・・・+qnαn−p|<1/q^n
q=max(q1,q2,・・・,qn)
(p,q1,q2,・・・,qn)=1
となるような組(p,q1,q2,・・・,qn)は無限に多く存在する.
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[リューヴィルの定理]αがn(≧2)次の代数的数ならば
|α−p/q|>c/q^n
がすべてのp,qに対して成り立つような定数cが存在する.
nはn次の代数的数の最良近似位数ではない.ロスは2がn次の代数的数の最良近似位数であることを証明した.
αが2次の無理数ならば
|α−p/q|>c/q^2
がすべてのp,qに対して成り立つような定数cが存在する.2は2次の無理数の最良近似位数である.
αがn(≧3)次の代数的数ならば
|α−p/q|<c/q^n
となるようなp,qは高々有限個しか存在しない.
|α−p/q|>c/q^λ,λ<n
がすべてのp,qに対して成り立つような定数c(α)とλ(α)は具体的に計算することができることが示されている.
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