■二項係数の整除性(その6)

「pが素数でp>5であるときに限り,

  1+1/2^3+1/3^3+・・・+1/(p−1)^3

の分子はp^2で割り切れる」

 「pが素数でp>7であるときに限り,

  1+1/2^4+1/3^4+・・・+1/(p−1)^4

の分子はpで割り切れる」

 1819年,バベッジは

  (2p−1,p−1)=1   (mod p^2)

に気づきましたが,1862年,ウォルステンホルムは

  (2p−1,p−1)=1   (mod p^3)

を証明したことになります.

 一般に,pを素数,kをp−1で割り切れない正の整数とするとき,

  1+1/2^k+1/3^k+・・・+1/(p−1)^k

の分子はpで割り切れる

 =1+2^k+3^k+・・・+(p−1)^k

がpで割り切れることが示されています.

===================================

【1】ウォルステンホルム素数

  1+1/2+1/3+・・・+1/(p−1)

の分子をウォルステンホルム数と呼びますが,もし,

  (2p−1,p−1)=1   (mod p^4)

が成り立つとき,pをウォルステンホルム素数と呼びます.ウォルステンホルム素数はいまのことろ16843と2124679は発見されているだけだそうです.

===================================