■スターン数列(その7)

 既約分数をすべて作り上げる方法がスターン・ブロコット木である.それはまず[0/1,1/1]からはじめ,漸次,隣接する2項p/qとr/sの間に中間分数

  (p+r)/(q+s)

を挿入する操作を可能な限り続けることによって得られる.

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[0/1,1/0](長さ2)

→[0/1,1/1,1/0](1個挿入,長さ3)

→[0/1,1/2,1/1,2/1,1/0](2個挿入,長さ5)

→[0/1,1/3,1/2,2/3,1/1,3/2,2/1,3/1,1/0](4個挿入,長さ9)

→[0/1,1/4,1/3,2/5,1/2,3/5,2/3,3/4,1/1,4/3,3/2,5/3,2/1,5/2,3/1,4/1,1/0](8個挿入,長さ17)

→[0/1,1/5,1/4,2/7,1/3,3/8,2/5,3/7,1/2,4/7,3/5,5/8,2/3,5/7,3/4,4/5,1/1,5/4,4/3,7/5,3/2,8/5,5/3,7/4,2/1,7/3,5/2,8/3,3/1,7/2,4/1,5/1,1/0](16個挿入,長さ33)

が得られる.(長さは2^n+1)

 この数列に現れるに中間分数

  p/q<(p+r)/(q+s)<r/s

において,p,q,r,sのすべてが奇数であれば偶数/偶数となるが,常に既約で,しかもすべての分数がちょうど1回だけ現れるという不思議さがある.また,

  qr−ps=1が成り立つ.

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スターン数列ではたとえば2/3のあとに、同じ数4/6,6/9が再び現れることがない。それで、正整数と正有理数の間の1:1対応が得られるのである

その結果,正の整数と正の有理数との間に「可算無限集合」であるという対応が得られたことになる.

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