■パップス・パスカル・ケイリー・バカラック(その6)
9点の共線に関するパスカルの定理を2次曲線の定理としてみるのではなく,3次曲線の部分現象としてみると,パスカルの定理自体がより一般的な定理の特別な場合になっていることがわかる.その発想が本当に素晴らしいと思う.
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[1]平面上の5点で,円錐曲線がひとつ定まる.空間の6点で,空間3次曲線が決まる.
[2]2つの円錐曲線の交点での8つ接線は,ある同じ円錐曲線に接する.
[3]ある点から3次曲線へは,多くとも6本の接線が引ける.これは3次曲線の類が3か4か6であることからいえる.
[4]3次曲線は変曲点を高々9つもつ.うち3個は実変曲点である.この9個は12本の直線上に3個ずつ並んでいる.
[5]3次曲線上にうまく27個の点をとって,それらを通ってもとの6点で接する円錐曲線を引くことができる.この27個の点は3次曲線の9つの変曲点のそれぞれを通る3つの接線の接点である.
[6]4次曲線は変曲点を高々24個もつ.そのうち,実変曲点は高々8つである.
[7]4次曲線の3つの2重点での6本の接線は,同じ円錐曲線に接する.
[8]4次曲線に対して,どれも4つの2重接線の接点を通る315個の円錐曲線が存在する.
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[1]空間の9点で,2次曲面が決まる.
[2]非退化な2次曲面は5つある.
[3]与えられた7つの点を通る2次曲面は,みな8番目のある同じ点を通る.与えられた7つの点が同じ空間3次曲線に属していれば,この7点を通り2次曲面はこの3次曲線を完全に含む.だから8番目の点はこの3次曲線上にある.
[4]与えられた9つの2次曲面に接する2次曲面の数は666841088.
[5]3次曲面は3,7,15あるいは27本の直線しか含みえない.
[6]3次曲面上の点で,27本の直線のうちの3つがその点を通るものをエッカルト点と呼ぶ.エッカルト点は個数は1,2,3,6,9,18(最大個数18)である.最大の場合は,6本の直線で,同時に9本の母線と交わるものが存在する.
[7]3次曲面のの3重接平面の最大数は45である.これは3次曲面に27,15,7,3本の直線があることからいえる.それに対応して3重接平面が最大45個存在する.
[8]4次曲線の2重接線の最大本数は28である.これは3次曲面に27本の直線があることからいえる.3次曲面をその上の点Pである平面に射影すると,4次曲線に沿う分岐が得られる.27本の直線の像とpを通るこの曲面の接平面の跡とが,2重接線となる.だから,3次曲面が3,7,15,27本の直線しかもちえないことから,4次曲線は4,8,16,28本の2重接線しかもちえないといえるのである.
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[1]ニュートンは,平面3次曲線はすべて,5つの空間3次曲線から中心射影を行うことで得られることを証明した.
[2]軸を変えても互いに他に還元できない平面3次曲線が78種ある.ニュートンはこのうち72種を見つけていた.
[3]軸を変えても互いに他に還元できない平面4次曲線が152種ある.この分類はオイラーが手がけ,プリュカーが成し遂げた.
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