■y^3=x^2+k(その21)
y^3=x^2+11
の正整数による解は(x,y)=(58,15)であるが、(4,3)が現れなかった.再考してみたい.
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y^3=x^2+11=(x+√11i)(x−√11i)において,もし右辺が通常の整数と同様に振る舞うと考えて,公約素数をもたないと仮定してみる.すなわち,gcd{(x+√11i),(x−√11i}=1
そうすれば,それらの積がy^3であるから,(x+√11i)は立方数である.
(x+√11i)=(a+√11bi)^3
gcd{(x+√11i),(x−√11i)}=1
となるだろうか?
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|a+2bi|^2=a^2+11b^2=1ならばa=±1,b=0に限られるから,a+√11bii=±1
よって,y^3=x^2+11のときに(x+√11i),(x−√11i)の公約数のノルムが1になることを示せば十分である.
y^3=0,1,3 (mod4)
x^2=0,1 (mod4)
x^2+11=3,0 (mod4)
したがって,y^3=x^2+11が成り立つためには
x^2=0,1 (mod4)
すなわち,xは奇数に限らない.→(x+√11i),(x−√11i)のノルムx^2+11は奇数に限らない.
(x+√11i),(x−√11i)の約数はそれらの和2√11iの約数でもあり,2√11iのノルムは44である.一方,(x+√11i),(x−√11i)のノルムx^2+11は奇数に限らないから,44とx^2+4の最大公約数は1とはならない.
したがって,(x+√11i)=(a+√11bi)^3になるとは限らないのである.これがx^2=4^2は何処かへ消え失せた原因である.
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