■y^3=x^2+k(その15)
y^3=x^2+2
の正整数による唯一の解は(x,y)=(5,3)であるというフェルマーの主張に対して,仮想的な整数を導入して,以下のような証明を与えたのはオイラーである.
(証)x^2+2=(x+i√2)(x−i√2)
(x+i√2)=(a+bi√2)^3
=a^3+3a^2bi√2−6ab^2−2b^3i√2
=(a^3−6ab^2)+(3a^2b−2b^3)i√2
=a(a^2−6b^2)+b(3a^2−2b^2)i√2
(x+i√2)→a(a^2−6b^2)=x,b(3a^2−2b^2)=1
b=±1とすると,(3a^2−2)=±1→b=1のときa=±1
(1,1)→a(a^2−6b^2)=−5=x (NG)
(−1,1)→−a(a^2−6b^2)=5=x (OK)
さらにy=3.よって,フェルマーの主張が示された.
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この問題は
a=5+i√2,|a|^2=27
b=1+i√2,|b|^2=5
5+i√2=(1+i√2)q+r,|r|^2<5
すなわち,1+i√2の倍数からなる長方格子点
0,1+i√2,2(1+i√2),3(1+i√2),・・・
3,(2−i√2)(1+i√2),・・・
6,・・・
から5+i√2に最も近い格子点を選ぶという問題となっている.
答えは(2−i√2)(1+i√2)=4+i√2であって,q=(2−i√2),r=1が得られる.|r|<|b|が成り立つ.
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