■ウィルソンの定理と群
【1】数値実験
ユークリッド数を
E(n)=(n−1)!+1
ウィルソン数W(n)をE(n)をnで割った余りと定義する.
E(2)=2,W(2)=0
E(3)=3,W(3)=0
E(4)=7,W(4)=3
E(5)=25,W(5)=0
E(6)=121,W(6)=1
E(7)=721,W(7)=0
E(8)=5041,W(8)=1
E(9)=40321,W(9)=1
を続けていくと
nが素数←→W(n)=0
に気づく.実際これは正しく,ウィルソンの定理「pが素数であるための必要十分条件は,(p−1)!+1はpで割り切れることである」が成り立つ.
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【2】ウィルソンの定理と群
W(7)=0であるが,有限体F7={1,2,3,4,5,6}
2・4=1 (mod7)
3・5=1 (mod7)
6=−1 (mod7)
より,6!=−1
6!+1=0 (mod7)
W(19)=0であるが,有限体F19={1,2,3,4,・・・,18}
2・9=−1 (mod19)
3・6=−1 (mod19)
4・5=1 (mod19)
7・8=−1 (mod19)
10=−9,11=−8,12=−7,・・・,18=−1
より,18!=−1
18!+1=0 (mod19)
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W(11)=0であるが,有限体F11={1,2,3,4,・・・,10}において,
2・6=1 (mod11)
3・4=1 (mod11)
5・9=1 (mod11)
7・8=1 (mod11)
→9!=1 (mod11)
10=−1 (mod11)
より,10!=−1
10!+1=0 (mod11)
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