■メルセンヌ数の素因数分解(その3)

 古代ギリシャ人はn=2,3,5,7,(13)のとき,2^n−1が素数になることを知っていました.n=11の場合,素数でないこと

  2^11−1=2047=23・89

を発見したのは,ドイツの数学者レギウス(ウーリヒ・リーガー)でした(1536年).

 その後,メルセンヌ素数にn=17,19,31が追加されましたが,フェルマーは

  2^23−1=8388607=47・178481

  2^37−1=137438953471=223・61631877

を発見しています.

 これらの素因数についてみると,

  23=2・11+1

  47=2・23+1

223=6・37+1

という関係がみえてくる.すなわち,2^n−1が合成数であるならば,それはあるkに対してkn+1であるのだろうか?

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 ここではM23=8388607の非素数性を判定してみよう.

 √8388607=2896.3・・・

までの範囲の素数を確認するのは電卓を用いても一苦労である.しかし,この数が素数卯でないことなら証明できるかもしれない.

 そこで,命題:pを奇素数,qを素数とする

  2^q=1  (modp)

ならば,p=1  (modq)であるを用いると,素因数となりうるのは p=46n+1型と書ける.47は早速素数なので調べてみると

  8388607=47・178481  (QED)

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