■フィボナッチ数列の周期性(その4)

【1】フィボナッチ数列の周期性の解析

 Fn+1=Fn+Fn-1と同値なベクトルの漸化式を

  [Fn ]=[0,1][Fn-1]=A[Fn-1]

  [Fn+1] [1,1][Fn ]  [Fn ]

で置き換えると,

  [Fn ]=A^n[Fn-1]

  [Fn+1]   [Fn ]

  A=[0,1]

    [1,1]

は対称行列で,

  A^2=[1,1],A^3=[1,2],A^4=[2,3]

     [1,2]    [2,3]    [3,5]

  A^5=[3,5]

     [5,8]

A^nも対称行列となることに加え,フィボナッチ数列が現れることがわかる.すなわち,

  A^n=A^n-1A=[Fn-2,Fn-1][0,1]=[Fn-1,Fn ]

             [Fn-1,Fn ][1,1] [Fn, Fn+1]

 ここではこの道具を使って,合同式

  L705=1  (mod705)

を確かめてみることにするが,L0=2,L1=1,n=704として

  [L704]=A^704[2]

  [L705]    [1]

したがって,L705=1(mod705)の整除性の周期性はA^704(mod705)を評価することに等しく,行列の積の演算において705の倍数をすべて捨ててよいことになる.

  704=64+128+512

  A^64 =[142,423],A^128=[283,141]

      [423,565]     [141,424]

  A^512=[424,564],A^704=[142,423]

      [564,283]     [423,565]

  [L704]=[142,423][2]=[707]=[2]

  [L705] [423,565][1] [1411][1]

より

  L705=1  (mod705)

  L704=2  (mod705)

が成り立つことが示されたことになる.

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  [参]シェーンベルグ「数学点描」近代科学社(三村護訳)

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