■オイラーの5角数定理の一般化(その2)

【3】クラインの恒等式とダイソンの恒等式(オイラーの恒等式のベキ)

 ここでは,

  Π(1−x^n)^d

を考える.

 たとえば,d=8では

  Π(1−x^n)^8=Σ(1/3+2(3klm−kl−km−lm)/3・x^-(kl*km+lm)   (クライン,フリッケ)

d=24では

  Π(1−x^n)^24=ΣΣΠ(ai−aj)/1!2!3!4!・x^(n-1)

  ai=i (mod5),a1+・・・+a5=0,a1^2+・・・+a5^2=10n^2

 d=3,8,10,14,15,21,24,26,28,35,36,・・・に対してはエレガントな公式があることが知られている.d(ヤコビ),d=8(クライン,フリッケ),d=10(ヴィンクィスト),d=14,26(アトキン),d=24(ダイソン),・・・

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【4】マクドナルドの恒等式(1972年)

 特別な指数dの謎は,1972年,イギリスのマクドナルドによって解決された(しかもすべての問題をきれいに片づけてしまった).ヤコビの恒等式は2変数であったが,その一般化である(n変数).

  Π(1−x1^k・・・xn^k)^(n-1)Π(1−x1^k・・・xn^k/xi・・・xj-1)(1−x1^k・・・xn^k/x1・・xi-1xj-1・・xn)

=Σε(k1,・・・.kn)x1^k1・・・xn^kn

とくに,d=n^2−1のとき(ガウスの恒等式,クラインの恒等式,ダイソンの恒等式の一般化),右辺は

 (−1)^(n-1)Σε(k1,・・・.kn)x1^k1・・・xn^kn

  Π(1−x^k・・・xn^k)^(n-1)Π(1−x1^k・・・xn^k/xi・・・xj-1)(1−x1^k・・・xn^k/x1・・xi-1xj-1・・xn)

=Σε(k1,・・・.kn)(k1,n−1)(k2,n−2)(kn-1,1)xn^kn

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