■an+b型素数(その3)
素数に関する最も古くから知られている結果「素数は無限にある」もユークリッド原論に載っている.素数が有限個しかかないと仮定して,背理法で矛盾を導き出すのである.
素数を小さい方から順にp1=2,p2=3,・・・,pn(最大の素数)とする.
q=(p1p2・・pn)+1=2(p2・・pn)+1・・・奇数
が素数であるとするとpnより大きな素数が存在することになり矛盾.合成数であるとするとpkで割り切れることになり再び矛盾.
したがって,素数が有限個しかかないという最初の仮定が間違っていたことになる.したがって,素数は無限に存在する.
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[Q]4n+3型奇数の中に素数が無限にあることを証明せよ.
4n+3型素数を小さい方から順にp1=3,p2=7,・・・,pn(最大の4n+3型素数)とする.
q=4(p1p2・・pn)+3
が素数であるとするとpnより大きな素数が存在することになり矛盾.
合成数であるとするとpkで割り切れないので,4n+1型素数では割り切れるはずである.もし,qのすべての約数が4n+1型だけならば,その積であるqは4n+1型になるが,qは4n+3型なので再び矛盾.(4n+3型約数は少なくともひとつは存在する.
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[Q]4n+1型奇数の中に素数が無限にあることを証明せよ.
4n+1型素数を小さい方から順にp1=5,p2=13,・・・,pn(最大の4n+1型素数)とする.
q=4(p1p2・・pn)+1
が素数であるとするとpnより大きな素数が存在することになり矛盾.
合成数であるとするとpkで割り切れないので,4n+3型素数では割り切れるはずである.もし,qのすべての約数が4n+3型だけならば,その積であるqは4n+3型になるとは限らない.
たとえば,
q=(4m+3)(4n+3)=12mn+12m+12n+9
=4(3、m+3m+3n+2)+1
となり,この証明はうまくいかない.
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